悲愛日記
「………え、葉月……くん?」
なんと、運命的なことに水着姿の葉月くんが至近距離にいたのだ。
しかも上半身裸。
……筋肉締まってカッコいい、なんて絶対赤面してるであろう顔でじっと葉月くんを見つめる。
葉月くんはポカーンとしたまま私をガン見していた。
………なんか葉月くん、海似合う。
爽やかなイメージにぴったりだ。
そしてイケメンさも更に際立っている。
……周りのキワドイ水着を着たおねーさん達が葉月くんをチラチラ見ているのが視界にはいる。
私はもう葉月くんにトキメクやら、周りの女の人にちょっと嫉妬しちゃうやら、暑さのせいかわけの分からない感情でいっぱいだった。
「は、葉月くんは…!今日どうしたの?」
思いっきり上ずった声で、視線をさまよわせ、意味のわからない質問をしてしまった私。
……どうしたのって、海に来たに決まってんでしょう。自分、本当にバカだ。