悲愛日記
放課後、私は帰宅部だから家に帰ろうとしたんだけど…。
お弁当を忘れてしまった事に気づき、一人学校に戻って来た。
「最悪……」
結構きつい階段を一段一段ゆっくり上る。
もう季節は、完全に秋だ。
そんなに遅い時間でもないのに、日が傾き始めている。
半袖から長袖に変わって、まだ小さな違和感がぬぐい切れていない日々。
まぁもう少しすれば長袖が当たり前になるんだろうな、とは思う。
にしても。
「階段疲れたぁ」
我ら一年生は、一番上の階の四階にあるのだ。
今は三階。
あともう少しだ…!と思った時。
「……って…?」
上から話声が聞こえた。
あれ?と思って足を止める。
校舎に残ってる人、まだいたんだ。
あぁ、部活の人達か!それにまだ人が残っててもおかしくない時間だしね!なんて一人で納得してもう一度階段を登り始めようとすると…。
「あ、あの…っ。す、好きです!」
あまりにも予想外の、言葉が聞こえた。