悲愛日記






「は、葉月くんっ!もしよかったらお付き合いしてくださいっ」













この言葉で、サーーっと頭の血が下がった気がした。








“葉月くん”……?








葉月くんってあの?








私の好きな葉月くん……?








葉月くんの微笑んでいる姿が脳裏に浮かび、ぎゅーっと胸が苦しくなる。








で、でも苗字が同じってだけで、“葉月祐”とは別人だよね…?









ふらっとする体を足で何とか踏ん張り、ジッと上の様子を見つめる。











「………ごめん」











けれど聞こえてきたこの声は、まぎれもなく私の好きな葉月くんの声だった。















< 59 / 132 >

この作品をシェア

pagetop