悲愛日記
「は、葉月くんっ!もしよかったらお付き合いしてくださいっ」
この言葉で、サーーっと頭の血が下がった気がした。
“葉月くん”……?
葉月くんってあの?
私の好きな葉月くん……?
葉月くんの微笑んでいる姿が脳裏に浮かび、ぎゅーっと胸が苦しくなる。
で、でも苗字が同じってだけで、“葉月祐”とは別人だよね…?
ふらっとする体を足で何とか踏ん張り、ジッと上の様子を見つめる。
「………ごめん」
けれど聞こえてきたこの声は、まぎれもなく私の好きな葉月くんの声だった。