悲愛日記
「んっ……」
寝返りを打って、目を開ける。
あれ、ここどこだろう……?
でも直ぐにここが保健室だと思い出した。
そっか、私熱出ちゃったんだ。
今何時だろうと思いながら周りを見まわたす。
……あれ、ないじゃん。
どこにあるんだろう?と、頭は痛むがゆっくり体を起こしたとき……。
シャーっと、控えめに閉められていたカーテンが開いた。
保健室の先生?と思ってそちらに視線を向けると。
明らかに体が強張ったのが分かった。
「…なんで……葉月くん?」
葉月くんが、目の前にいる。
なんだか久しぶりに真正面から葉月くんの顔を見た気がした。
「………大丈夫?」
久しぶりに会話をする私たち。
「う、うん……」
多少のギクシャクがあるものの、なんだかこうして話すことは以前と何も変わってない気がした。
「そっか」
でもそう言って微かに笑った葉月くんに。
私は、つい涙を流してしまった________。
熱のせいか、今までずっと涙を我慢してたせいか、止まることなくどんどん流れる。
涙で滲んで見える葉月くんが、ギョッと焦ったのが分かった。
ずっと見たかった葉月くんの笑顔。
こんな形でだけど、見れたことに感動した。
「り、莉子ちゃん?どっか痛い…?」
すると私のすぐそばに寄った葉月くんが、私に顔を近づけてくる。