悲愛日記
自分で言って、また涙が溢れてきた。
これで本当に失恋だ。
私絶対今、酷い顔してる。
でも私はもう一度心の中で繰り返した。
好きだよ、大好き。
葉月くんからは何の反応もない。
……どうせ、いきなり何言っんだと混乱しているのかもしれない。
葉月くんは優しいから、迷惑な私の告白になんて断ろうか考えてくれているのかもしれない。
それでも今の告白を取り消す気にはなれなくて。
「………………………え?」
葉月くんの気の抜けた声に、少しだけ頬があがってしまった。
「……私、葉月くんのことが…好き」
涙を拭いて葉月くんをジッと見据える。
葉月くんはとても困惑した表情をしていた。
「ごめん、迷惑だったよね……」
そうポツリと呟くと、なぜかバッと後ろに下がった葉月くん。
「いや、違う。違う。断じて迷惑なんてありえない。え、え、え、!?」
そしてぐるぐるとカーテンで区切られている小さなこのスペースを歩き回り始めた。
私はポカンとして葉月くんのその変な行動を見ている。
そして葉月くんはしばらく回り続けたかと思うと…今度は私に詰め寄って来た。
「………マジで?冗談じゃなくて?相手間違えてない??」