悲愛日記
…………あれ?
俺も、好きだから。
………“俺も、好き”?
………好き?
誰が?
葉月くんが。
誰を?
私を??
ごめん、と言われると覚悟していた私は呆気にとられてしまう。
………あれ。
私、聞き間違えちゃったのかな。
ゴメンって言われて、頭が勝手に好きに変換しちゃったのかな。
葉月くんの言葉が信じられない。
待って、待って、待って。
私、勘違いでも物凄い今幸せなんですけど。
「葉月くんが、私を好き………?」
でも思わず言葉に出して呟いてしまう。
「……そう。俺、莉子ちゃんのこと好き」
___________これ、現実?
相変わらずふわふわしている頭では、現実と夢がごちゃごちゃになっているのかもしれない。
そうだ、これは夢だ。うん、都合のよすぎる妄想が夢に出てきちゃったんだ。
ためしにギューっと頬を抓ってみたけど、痛かった。
……あれ?痛い。
痛い=現実
……現実?
これ、夢じゃないの?
「……夢みたい」
思わずそう言うと葉月くんはにっこり笑って。
「それ俺のセリフ」