悲愛日記
今はなんと葉月くんの家にお邪魔している。
葉月くんのお母さんはバリバリ仕事をしていて、いつもは家を留守にしているらしい。
そして来週にはテストがあるから葉月くんが家に誘ってくれたんだけど……。
正直、集中できそうにありません。
葉月くんのシンプルで広いお部屋に二人っきりという状況。
私が男の人の家に初めて入って来たってこともあり、葉月くんの香りがするっていうこともあり、ドキドキだ。
目の前に広げた教科書を見るふりをして、また葉月くんを見る。
すると葉月くんは私を見ていて、思いっきり目が会ったので慌てて逸らした。
どこまでいっても落ち着きのない私と、クスクスと余裕の笑いを浮かべている葉月くん。
順調に付き合いを進めていても、この差だけは縮まらない。
でもそんなことは気になるけど特に問題ではなく、毎日幸せだからいいのだ。
よく分からない教科書を見るふりをして、葉月くんとの幸せな日々に顔を緩めた。