悲愛日記
そしてそれから三十分ほど経ち……。
「少し休憩する?」
葉月くんがペンを置いた。
私はこくんっと頷く。
「莉子、机の上少し片づけて。飲み物持ってくる」
葉月くんはそう言って立ち上がったので、私はシャーペンを筆箱の中にしまっていった。
そして教科書を閉じ、床に置いた。
ふぅーっと緊張を吐き出すように息を吐き、周りを見ま渡す。
私のごちゃごちゃしている部屋より絶対に片付いている部屋。
壁際には紺色のベッドと、その向かい側にはソファーとテレビとパソコンと本棚が置かれている。
その真ん中に置かれているローテーブル。
つまり、葉月くんの部屋はメチャクチャ広い。
てか家も大きな一軒家。
お庭もついていて、綺麗に整美されていた。
葉月くんのお父さんとお母さん、何の仕事をされてるんだろう。
私なんてお母さんは専業主婦で、お父さんはサラリーマンのごくありふれた一般家庭なのに。
すごいなぁーなんて思いながら背中側にあるベッドにもたれる。