彼の背中は誰よりも大きい。
prologue
──わたしの初恋は中3の夏
塾に入ってから出会って初めて恋をした。
その人は
背が高くて
英語が得意で
洋楽が好きで
ギターが弾けて
そしてなにより
受験前に、よくわたしの苦手な数学を授業外でも教えてくれた人。
そんな優しいところが好きだった。
いや、
今も好き。
でも無理なのは十分わかってる。
立場を考えたら、付き合うなんて無理に決まってる。
だから高校に入ったら、また新しい恋をすればいい。
そう心に決めて、本当に新しい生活がはじまる…つもりだった。