苦しいよ。ねぇ気付いてよ


なにやってんだよ…俺は。


でも、ほっとけない気がした。


「送ってく。家どこ?」


彼女は一瞬戸惑った。


案の定、断わりを入れて来た。


「あ、あの、送るとか悪いので大丈夫です!」


彼女はそう言うが、流石に女一人で歩かせる程、酷い男じゃない。


「またあの男と出くわしても平気?夜道は危険だぜ?」


俺がそう言うと、彼女は、困った顔をした。


彼女は天然なのか、独り言が声に出ていた。


「課長に送ってもらうのは気が引ける」


「勘違いされたらどうしよう…」


「でも、ナンパは嫌だし…」


など…。


多分、俺の噂を知ってるな。
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