LB4
「18歳になったらな」
初めて気持ちを伝えた人にそう言われて、バカ正直に18歳で再チャレンジしたら、すごいフラれ方をした。
相手は大人の男。
はじめから実るなんて思ってはいなかった。
あたしもそこまでバカじゃない。
でもせめて、バカ正直に3年も思い続けた報いが欲しかった。
母子家庭育ちで、男という生き物と共に生活した経験が希薄なあたしは、同じ学校の男子やテレビなどからしか彼らの情報を得られない。
当たり前のように恋愛を経験している子がたくさんいるから、そういう子と恋バナをするのも、貴重な情報源だった。
彼にとって妹同然のあたしを「女」にするためにできること。
これまでに回収してきたデータから、なんとか導き出した答えが「性」だった。
だからあたしは、処女を捧げることで無理に関係を築こうとした。
勇気を振り絞って、自分から誘ったのだ。
あんな恥ずかしいこと、よくやったなと自分でも思う。
でも、それを恥ずかしいと思うことは子供っぽいことだと思ったから、必死で顔に出さないようにした。
しかし彼ときたら。
あたしをホテルにまで連れ込んだのに、こっぴどく扱った。
こっぴどくというのは、乱雑に愛のないセックスをしたという意味ではない。
何もなかったのだ。
キスもハグもしてはくれなかった。
元々あたしの家庭教師だった彼は、ホテル代を支払ってまで、私にしっかりと教えてくれた。
男は身体なんかじゃ手に入らないのだと。