LB4
うわ、今グサッときた。
どうせあたしは子供だよ。
処女だし恋愛経験もないし。
ガキくさくてショボい構ってちゃんだって認めるから、落ち込ませてくれよ。
だって1番好きな人にフラれたんだもん。
ずっと思い続けて、めちゃめちゃ頑張って、勇気出して、脚も出して、肩も出したけど、ダメだったんだもん。
おとといのデートでベストを尽くしました。
燃え尽きました。
だから一人で堪える余裕などありません。
「こういう時って、いい先生なら慰めてくれるもんなんじゃないの?」
「俺は“超絶”いい先生だから、生徒が立派な大人になれるように導くんだよ」
「自分で言うなし。キモい」
「江頭はまず正しい日本語と敬語の使い方を覚えようか。その喋り方、大人には嫌われるぞ。マジで」
ふん。
嫌うのってオヤジとババアでしょ?
大悟くんだって、大人だけどおんなじ喋り方するもん。
「あたし、自分の好きな人だけに好かれればいい」
「そういうのを自己中心的って言うんだぞ」
朝から説教ばかりのウザい藤川から与えられた“目の覚めるような雑用”とは、先日集められた数学のノートの運搬だった。
先週末までの課題だったのだが、あたしは提出していない。
だって大悟くんとのデートが決まってそれどころじゃなかったし。
「何か俺に言うことは?」
と遠回しに遅れていることに対する謝罪を求めるウザ教師に言ってやった。
「まだ提出してないけど、後悔はしていません」