LB4
「俺、頑張らなきゃなー」
予め準備されたものを利用したり、敷かれたレールに乗るだけでなく、どんなに面倒でも自分で考えて動き、新たなものを創り出していく。
その必要性を感じたとき、自分がやっと大人の男として、スタートラインに立った気がした。
「ん……? 板東、なんか言った?」
彼女がうっすら目を開けた。
「言ってませんよ」
カーテンから漏れ出す光を感知した彼女。
眩しいのか、光から逃げるように俺の体に巻き付いてくる。
ああ、そんなふうに抱きつくから……
「あっ、ちょっと板東、なにっ?」
「相澤さんが悪い」
わざとリップ音を響かせながら下降する。
恥じらいながらも決して嫌がらない彼女の反応を楽しみ、幸福感に浸る。
「もうっ! バカ、あ、ちょっと……こらっ」
「ははっ、可愛い。超可愛い」
彼女はその性格からか、普段はあまり女性らしさを表に出したがらない。
大きな態度も男言葉も、世知辛い世の中を自分の足で渡り歩くための武装だ。
彼女は強い。
このガチガチの戦闘態勢を崩していかなければ、俺はいつまでたっても彼女には敵わない。
「こら。暴れないでって、いつも言ってるでしょ」
「だって、だってっ……」
「逃げても無駄です。イクまでやめません」
快楽でも安心でも金でも何でもいい。
この人を虜にして俺に縛り付ける武器を、できるだけたくさん身に付けなければ。
自分で考えて動き、創り出す。
戦いはもうすでに始まっているのだ。