LB4
俺は大して好きでもない女とまでセックスをしたいとは思わない。
あれだけの気力と体力を相澤さん以外の女に使うなんて、今となっては微塵も考えられない。
「もったいないなー」
「俺は一人に愛を注ぐタイプなの」
「だから王子様なんですかねぇ」
「お前まで王子とか言うのほんとやめろ」
なぜ女は俺を王子と呼ぶのだろう。
色白で手足が細くて女っぽい顔で体毛が薄いから?
弱々しくて頼りがいがなくハゲそうだと指摘されているようで、いい気分はしないんだけれど。
「板東さん、ちゃんと性欲あるんすか? 自力でもちんこ勃ちますか?」
それもどこかで聞いたような言葉だな。
この男にまで心配されているのか。
「アホか。今日も朝から2回したっつーの」
「朝の勢いじゃなくて?」
「違う」
「彼女に頑張ってもらったとか?」
「違う! ちゃんと俺の意思で勃つわ!」
言い返すと大悟は大爆笑。
相当酔っているのか、思考が小学生に戻っている。
憎めないが、相変わらずタチの悪い後輩だ。
潰れるなよ。
俺はお前の介抱などしたくない。
「今の言葉、千佳に聞かせたかったなー」
「やめとけよ」
俺にだって、守りたいイメージがある。
可愛い後輩や最愛の恋人には、特に。
「ところで板東さん。自力で勃つ相手が見つかったようなので確認しておきたいんですけど」
「ん?」
「俺が紹介した女の子たちとは、ちゃんと全員と切れてるんですか?」