LB4
鋭い指摘に、一瞬息が詰まる。
すぐに数人の顔が思い浮かぶ程度には、身に覚えがある。
「別に、付き合ってないし」
そもそも紹介じゃなくて、二人で飲んでる時にお前が勝手に呼んだんだろ。
「でも、ヤッた子もいるんですよね?」
それは否定できないけれど。
繰り返すが、俺は大して好きでもない女とまでセックスをしたいとは思わない。
それは本当だ。
だけどしつこく求められたときや溜まっていたときに、誘いに乗ったことくらいはある。
俺だって健全な男なのだから、溜まるもんは溜まる。
だからそれを吐き出すチャンスがあれば、利用したことだってある。
周囲の女子諸君が思っているほどクリーンな男ではない。
ただ、彼女を手に入れた今、誓って他の女なんかを抱いたりしない。
誓って。
「俺に付き合うつもりがないことは了承済み」
「そのうちの二人からしつこく板東さんのこと聞かれるんですけど?」
その二人の顔も、何となく浮かぶ。
俺はこの手の遊びが上手ではないらしい。
ヤッてから関係を曖昧にすると相手を傷つけるのだと、大悟が口癖のように言っていたから、俺もそうならないよう気を付けていたつもりなのに。
「俺は本命の彼女にメロメロすぎてハゲたって言っといて」
「ははは。貸しイチですね」