LB4

頑なに靡かない私を、大悟はなかなか手放そうとはしない。

彼こそ意地になっているのだろう。

「俺じゃないとイけないくせに」

勝ち誇ったように口角を上げた顔を見せられ、またイラッとする。

認めたくないけれど、それは事実だ。

「そんなの、した回数の問題でしょ」

私たちはもう4年の付き合いなのだ。

互いを知り尽くしている。

それに、女にまみれた生活をしている大悟と普通の男とを比べてはいけないと思う。

テクニック的な意味でも。

しかし大悟は否定した。

「違うと思うけど」

「どうして?」

大悟は寝転んだまま私をぎゅっと抱き締め、私の額にぶちゅっと湿っぽいキスをした。

……やめてほしい。

「俺、4年かけてたっぷり仕込んだもーん」

私はわざとらしく手で額をぬぐう。

「はぁ? 私に何したの?」

「愛人体質を治すため、大事に抱かれないとイけない身体にしましたけど何か?」

何それ。

じゃあ、私が他の男で満足できないのは、ぞんざいに抱かれているからだっていうの?

浮気相手だから?

繋ぎの女だから?

「あんたは私を大事にしてるって言いたいわけ?」

散々他の女ともしておいて、バカみたい。

「千佳さ、ほんとにわかってないのな。付き合うことと大事にすることは、全く別のことなんだからな」

大悟は呆れた顔をしてため息をついた。

わからないよ。

わかるわけないよ。

だって私、愛されたことないんだもん。

どういうのが大事にされてて、どういうのが大事にされていないのか、区別なんてつかない。




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