LB4
「うん、そうなんだけど、そうじゃなくて。大悟は他にもそういう相手がいるわけじゃん。私みたいな、社会に出ても思春期こじらせてる女なんかと、4年も関係続ける必要なんてなかったわけじゃん」
「あー、そういう話」
「どうして私との関係はやめないの?」
面倒になって切り捨てた女は山ほどいるのに。
大悟はしばらく口をつぐんでしまった。
相性とかテクとか、適当な言葉がすぐに返ってくると想定していた私は、答えを聞くのが少し怖くなった。
さっきふと頭に浮かんだことが、自惚れた想像じゃなくなってしまう気がして。
「ごめん大悟。今の質問なし」
「逃げんなよ。大人になりたいんだろ。嫌なことから逃げたらダメじゃんか」
ドキッ——……というより、ギクッとした。
確かに私は今、逃げようとした。
だって聞いてしまったら、今の心地よい関係や距離感が、変わってしまう気がする。
大悟は大悟だから何でも話せたのに。
私には他にそんな友達いないのに。
男と女だけど、エッチだってするけれど、あんたは私の大切な大親友。
私を大事に抱いてくれる、大好きな大親友。
「だって私、友達を失いたくないもん」
「知るかよ。もうわかってんだろ。だから俺に言わせたくないんじゃん」
「違うもん。私、何もわかってないよ」
だから、もう何も言わないで。
「じゃあ聞け。わかれ。知れ」
「やだ」
「知るか。もういいだろ。俺は言うぞ」
「やめてよ!」
「ずっと千佳が好きだった」