LB4
俺に遊び方を教えてくれたのは、一回り年上の従兄弟、晋也(しんや)兄ちゃんだ。
兄ちゃんは、性欲をもて余した当時高校生の俺に、
「溜めても良いことないからな」
と言って、たまに遊びに連れ出してくれた。
当時兄ちゃんは28歳くらいで、酒が飲める大人っぽいところに出入りしては、女の人に声をかけたりかけられたりしていた。
声をかけると嫌な顔をする人も少しはいたけれど、仲良くなれることの方が多く、その夜のうちに美味しく頂いちゃうこともしばしば。
俺は兄ちゃんの横で大人しくジュースや茶を飲みながら(高校を出るまで酒は飲ませてもらえなかった)、その手腕を間近で見て、そのいろはを学んだ。
適切な声色、相手との距離、言葉のチョイス、脈がないときの引き際。
そういう友達の輪の拡げ方。
面倒な女の見分け方、もしもの時の逃げ方。
当時、兄ちゃんは同じビルに勤めている他社の女子社員からよく行くコンビニの店員、近所の女子大生などなど、手当たり次第だった。
一緒にいると、俺の方に興味を持つ女も少なからずいて、自分の方がその夜のうちに美味しく頂かれちゃうことも多かった。
我ながら、おいしい思いをしてきたと思う。