blue beast blue moon ー青い獣、青い月ー
「.........」
「.........」
うっ、息苦しい... なんだ、この沈黙は...
「おい、」
「ねぇ、」
うわぁ~ タイミング悪すぎ! 見事にハモってしまった......
「なんだ、お前から話せ」
「えっ、んーっと... 楓から蒼って喧嘩の時 本気出さないって聞いて......」
「あぁ。本気出さないが、それがどうした?」
え、以外とあっさり教えてくれた......
「なんで本気出さないの?」
「.........本気出さないというより出せないんだ」
「え?どうゆうこと?」
「......俺には昔、愛してるやつがいた」
「っっっ!」
「そいつが敵対していたチームに襲われて人質として連れていかれた。俺はそいつを助けるため本気で戦った。気が付けばそこは血の海だ......自分の拳も服も顔も血だらけで......そいつに言われたんだ。"化け物”って」
っっっ!恐ろしい とても低い声で蒼は言った。 "化け物" その一言がどんなに蒼を傷つけたか......私には到底 理解できることじゃない。
「.......だから、だから喧嘩の時は本気を出さない。本気を出したらまた裏切られるかもしれねぇ、また化け物って言われてしまうかもしれねぇ」
「蒼っっ!」
ギュー 無意識に私は蒼をひどく抱きしめていた。
「詩乃......お前は俺を1人にしないか?」
「絶対に1人にしない。なにがあっても.......」
「詩乃 」
「えっ、蒼 ちょっ...」
蒼の綺麗な顔がどんどん近づいてきて.......私の唇に重なり、それは次第に激しくなり、舌を絡ませていく。
「蒼っ、苦しっ!」
「あ、すまねぇー とまんねぇとこだった」
「とゆうかなんでキスしたの!?今の一応ファーストキスなんだけど!」
「ほぉーそうか、ファーストキスか.......俺がお前のファーストキスを奪ったのか」
「っっ!口に出して言わないでっ!」
「ファーストキスのわりには上手だったが?ニヤッ」
「カァァァー 恥ずかしいっ!」
ガチャ「ただいま~ ん?詩乃ちゃん顔真っ赤だけど熱でもあるの?」
「えっ!そっそうかなっ!? なんでもないよ!」
「お~そうゆうことか。蒼」
「潤!どうゆうこと!?なんで僕に教えるくれないの~」
「だからなんでもないってばっっ!」
みんなとすごす日々はとても楽しくて.......毎日がキラキラ輝いている。
こんな気持ち初めて。
私がまだ小さいころは楽しかった。家族がいて、兄弟がいて。でもあいつを失ってからはただただあいつを....あいつを探すために生きてきた。 生き別れた私の弟を探すために。
笑ったりドキドキしたり、人の事を考えたり蒼達に出会って真っ白だった私の心が色んな色に変わっていく。
ーーーありがとう 黒乱ーーー