T&Y in神戸
眠りに落ちた由香利の白い肩に毛布をかけ直して、密着するように抱き寄せる。
素肌に触れる柔らかな身体に再び高ぶりそうになるカラダを諌め、目を閉じた。
『準備出来てるからね』
そう言って、まるで遠足の準備をやりきった子供のようにはしゃぐ由香利は、小さめのキャリーバックを指差していた。
苦笑する安西にどれ程の騒ぎだったのか想像がついた。
明日を楽しみにしてくれている由香利。
定刻通りに仕事を終えなければならないプレッシャーは決して嫌なものではない。
他の誰でもない、俺だけが必要とされている事実、代わりのきかない存在であることはこんなにも心地良い。