きみのふいうち
「っ、暁くん!」
思わず、だった。
早く伝えたい。
早く、暁くんの隣がほしい。
そんな強い思いが溢れて、その勢いに突き動かされるように声が出た。
給湯室から踏み出して呼んだわたしに、暁くんが驚いたような顔で振り返る。
強くぶつかる視線。
どきん、と緊張からか心臓が大きく音を立てる。
「……話したいことがあるの。今日の夜、時間、もらえるかな?」
意を決して言うと、暁くんはさらに驚いたように瞠目したけれど、すぐに頷いて。
「大丈夫」
落ち着いた声でそう言うと、今度こそくるりと踵を返した。
「……」
言えた。
よかった。
まだ好きと伝えたわけじゃないのに、すでに心臓の鼓動が早くなっていた。
わたし、告白なんてしたら緊張のしすぎで死んでしまうんじゃないだろうか。
なんてどうしようもないことを本気で心配してしまうくらい、ドキドキしていた。