きみのふいうち
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暁くんとの待ち合わせは、定時を30分ほど過ぎた、18時の休憩室。
わたしはほとんど定時に仕事の区切りがついたので、暁くんより早く席を立った。
いくつかのテーブルと椅子、そして自動販売機が何台か並ぶ休憩室には、ぱらぱらとまばらに人がいる程度だった。
金曜の夜だし、今日は飲みに出掛ける人が多そうだなぁ、なんて考えながら、自販機から紙コップのココアを購入。
こぼさないように、近くのテーブルにそっと置いた。
鞄を空いている椅子の上に乗せて、わたしも腰を下ろす。
なんとなく、どうしようもなくそわそわと落ち着かない気持ちを和らげてくれそうな気がして、ココアを選んだ。
口一杯に広がる優しい甘さにホッとする。
1日頑張った自分を労るにはぴったり。
だけど残念ながら、ドキドキと緊張のせいで早くなってしまった鼓動をおさえる効果は期待できなさそうだ。
ココアが減っても、わたしの落ち着きのなさは相変わらずみたい。
……こんな落ち着かない気持ちで、大丈夫かな。
心のなかでそう呟いて、はぁ、と思わずため息を落とした。