乱華Ⅱ
sixth
side.心〜
何本目になるかわからないタバコを吸い終わった彼は、それを地面へと落とす。
その足元には十数本のタバコが散乱していた。
遠くからは微かにタク達の騒ぐ声が聞こえるけど、ここはしんと静まり返っていて虫の声一つ聞こえない。
「…と、まぁそんな感じよ」
なんとも言えない自嘲的な笑みを浮かべる修は、そのまま空を見上げてはぁと白い息を吐いた。
それに釣られるように白い息を吐く。
黙ったまま話を聞いていた私の身体はもちろん、修の身体もきっとひんやりと冷たい。
気の毒だとか、可哀想だとか。
そんなモン修は求めて無いんだと思う。
そんな慰めの言葉を聞いた所でなんの気休めにもならない。
ましてや、今の現状を止めて欲しいとも思っていないだろう。
だったら何で?
「……、なんで、私に話したの?」
それに尽きる。
そりゃ知りたいと思ったし、聞きたかったけど…こうもあっさり話されると
拍子抜けすると言うか…
何か裏があるんじゃないかと、勘ぐってしまう。
私、本当に性格悪いな…
「…さぁな。俺のただの気まぐれだ」
1人考え込む私を他所に、フッと笑った修は少しスッキリとした表情で言う。