乱華Ⅱ
気まぐれ?
今、修という男が全くわからない。
気まぐれで、自分の最悪だと言った過去を話す人が、この世にどれだけいるのだろうか?
私には到底理解し難い。
私だったら話さないし。
―最悪なら尚更。
それでも話したんだったら、気まぐれなんて言わないで。
その真意を私は知りたい。
「…まぁ、最初はお前も他の女と同じと思ってた。けどお前あんな事言うし」
「…あんな事?」
修は何かを思い出したのか、クスリといきなり笑い出した。
…私は修に笑われるような事を言ったか?
少し自分の記憶を辿ってみるが、思い当たる事柄に辿り着けない。
考える私を他所に修は覚えてないのかよと、言いたげな視線を私に浴びせ口を開いた。
「俺は嫌とか」
「……」