乱華Ⅱ
タクに導かれるかの様に、宴会騒ぎを起こしていた他のメンバーも集まってくる。
…あそこにいれば雪にあたらないのに。
そして嵐のような男がやって来たと思ったら、その場は一気に戦場と化した。
まだうっすらとしか積もってない雪を、無理矢理かき集めて投げる。
投げる。投げる。
「くらえ!弾丸スノウ」
「そんなん喰らうかバーカ!」
何だ今の弾丸スノウって。
ネーミングセンスのカケラもねぇ!!
哀れむような視線と共に、タクの投げた雪へと目を向ける。それは司に届く前にペチョリと地面へと落ちた。
それに腹を立てたのか何なのか、ターゲットを司から瞬に変えたタク。
「イタッ!ちょっタクさん痛いっす!」
ギャー!と野太い断末魔の様な叫び声が倉庫に響く。
え、今どさくさに紛れて石投げたんですけど?
瞬がヤバイ形相になってんじゃん。
何やってんのあのオレンジ頭。
ギャハハと走り回るタクは、逃げる瞬を追いかける。それに周りのカラフルヤンキー達が無残にも巻き込まれて行く。
何これ。
絶対当たりたくねぇんだけど。
ススス、とさっき修がいたドラム缶の前に隠れて避難する。
あんなもん当たってられるか。
てか、誰か止めろよ!
特攻服姿のまま走り回るタクと逃げ惑う瞬+カラフルヤンキー達。
寒くないのか疑問でならない。