乱華Ⅱ
正宗が淹れたコーヒーを1人飲みながらも、私はこの後どうやって彼らに伝えようか。
そればかりを考えていた。
そして叩き起こされたにも拘らず、大して怒りもせずにそれぞれがさっさと朝の身支度を整えている。
私からしたらアリエナイ。
普通怒るでしょうに。
…多分日常茶飯事的にあーゆー事がされているのだろう。
私は思わず憐れむような視線を颯人と司に向けていた。
そんな中、すでにいつものようにパソコンのキーボードを叩いていた正宗が、思い出したかのように口を開く。
「で?心ちゃんの行きたいところって?」
「あ?お前どっか行くのかよ?俺はクリスマスまでお前のお守りかよ」
正宗の言葉を聞いたタクが、中途半端な…下はスウェット、上はタンクという見ているこっちが寒くなるような格好で、ソファーに座る私を見下ろす。
…やってらんねーぜ的な顔をして。
まずお前はさっさと着替えろ。
そんな寒そうな格好で私の視界に入るな。
心の中でブツブツ呟きながらも、さっき自分で決めたことを勇気を振り絞って言った。
「…桜田霊園って所」