乱華Ⅱ
私が目的地とする場所は梶さんの車からは少し離れた所。
雪を踏むと鳴るシャリっと鳴る雪独特の音。
滑らないように足元に注意しながら桜田霊園の中を歩いた。
やっぱり天気はスッキリするほど晴れていて、空から注ぐ太陽がこの寒さを少し緩和してくれる。
クリスマスだからか霊園の中に人はほとんどおらず、3人の家族連れがいるだけだった。
少し緩やかな坂道を注意して登っていけば、だんだんと見えてくるお墓。
私の、両親が眠るお墓。
そこには最近訪れたであろう人が供えたたくさんの花と、たくさんのお供え物。
ここはいつ来ても真新しいお花が供えられている。
それはつまり誰かが私の両親に会いに来てくれていると言う事。
そっとしゃがみ込みたくさんの花束のその隣に、修からもらった花と自分が買った花を供え
司からもらったお供え物を置いた。
「パパ…ママ…」
目を瞑りポツリ言葉を呟いて、両手を合わせた。