乱華Ⅱ
はぁ、と短いため息を吐いて目の前の取り皿に箸をつけた。
ぐつぐつと煮えたぎった鍋から取って冷ましておいた、タクの言葉で言う俺の肉を口に放り込む。
途端に広がるキムチ独特の香りと辛さ。
あ、柔らかくて美味しい。
いい肉使ってんなーと考えながらまた一口。
「あ!また!!タクさっきからわざとやってんだろ!?」
「はぁ?俺がそんなことするよーに見えんのかよ!」
「見える!」
まだ言い争っていたタクと司だが。
即答した司に私も同意しておこう。
つーかいい加減黙って食えや。
イライラしながらも、目の前にある黄金色の液体を喉へと流し込む。
いつぶりかのアルコールを摂取したわけだけど。
事前にちゃんと「ここなら家の中だし」と正宗からのお許しを頂きました。