乱華Ⅱ
「はぁ?ふざけんな!だいたいお前なぁ…!」
「いい加減五月蝿いよタク。黙って食えないの?」
タクの声を遮った決して大きくない声は正宗のもの。
タクの正面に座る彼はいつものエセスマイルを浮かべ、ただ淡々と言葉を吐く。
笑顔なところが逆に怖い。
目の奥も笑ってないですし。
「だいたいさ、食べ物の取り合いとか醜いでしょ。見てるこっちが嫌な気分になるよ」
その姿に何もしてない私まで、司とタクと一緒に肩が少し跳ねてしまう。
…うん。やっぱり正宗は敵には回したくない。
怖いです。
この事はもう私の頭の中で一番重要事項として刻み込まれた。