乱華Ⅱ
ようやく大人しくなった2人は、黙々と鍋へとはしを伸ばしていて。
…ちょっと待てお前ら。
タクも司もさっきから肉や魚介類にしか手をつけていない。
いやいや。
野菜食べろよ。
どこぞのガキだよ。
「「あ」」
そんな2人の行動は私以外にも見ていたらしくて
「食え」
まさかまさかの総長様じきじきのお言葉。
さっきから無言だった颯人は、テキパキと司とタクのお皿に野菜を取り分けて
なぜか私のお皿にまで鍋の具材をよこしてきた。
「……」
食えと?
私にその肉々しい取り皿の中身を食べろと?
私の取り皿の中にある鍋は主に肉ばかり。
隣のアホ2人は私の取り皿を羨ましそうに見てるし。
…食べればいいんでしょ。
オカンかアンタは。
何も言わない颯人に私が根負けした形で、それにお箸をつければ、満足そうな顔をしてタバコに火をつけた。