乱華Ⅱ



ジタバタと暴れる私の手がテーブルに置いておいたカップに当たり、それが床へと落ちた。


割れはしなかったものの、ゴトッと大きな音を立て床をコロコロと転がって行く。





そんな事お構いなしなのか、修はそのまま私の肩を軽く押してソファーへと押し倒した。




修の向こうに見えるのがリビングの天井で、その修はなんだかあの日の夜のようなふざけた要素のない顔で。






「…ちょっと黙れよ」




そんな事を言う。



……ちょっと理解できない。
何この状況。
何この態勢。
何がどうなってこんな事になってんの?




ねぇ、そこの司よ。
お前はいつ起きるの?
今起きる時なんじゃない?
私なんだかピンチなんだけど?
助けてくれるんなら、あんたの冬休みの宿題やってやってもいいから。



ねぇ、颯人と正宗はいつ帰ってくる?
こういう時こそいて欲しいんですけど?
颯人、あんたの所の幹部様なんだかおかしいんですけど?

今こそ正宗のブラックスマイルの出番なんじゃないの?
ブリザード吹き荒らしてくれよ!



てかあの引きこもりは?
寝てるの?起きてるの?
どっちでもいーから今こそ護衛の時だと思うんだけど。





頭の中はごちゃごちゃになっていて、だけど唯一わかるのは、近距離のせいで目の前のこの男のタバコの匂いがより強くなったって事。





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