乱華Ⅱ
「いや〜勘弁してちょーだいよ。感謝されこそすれど、そんな事される覚えはねーのよ〜」
「あ?」
眉間にシワを寄せて修を怪訝な顔で見るタクは、お前何言ってんだよ?とでも言いたげだ。
「ん?今ので分かった事、あんでしょ〜?にぶちんの親友のために身を呈して教えてやったんだから、感謝しろよ〜」
「………」
目線を斜め上にして一瞬考えるそぶりを見せたタクは、どうやら絶句しているらしい。
そんなタクをニヤニヤとしながら眺めている修は、何かを耳打ちしていた。
その途端にタクの顔が赤くなった…気がしたが、すぐに私に背を向けたからよくはわからなかった。
「つーワケで、俺は見回りにでも行って来るから〜
悪ふざけして悪かったな心チャン。
ほら、司起きな〜見回り行くよ〜」
「…んーまだ眠ぃ」
「大丈夫、大丈夫。俺が運転するから、司後ろ乗っていーからさ〜」
そして何の悪びれもなく今だに寝ていた司を叩き起こした修は、まだ寝ぼけ眼の司をずるずると強引に引きづり、一緒に見回りとやらに出かけて行った。