乱華Ⅱ
今だに私と視線が合うことはなくて、ソッポ向いて話をするタク。
最初は顔を背けるからムキになって、見てやろうって感じだったのに、段々とムカついてきた。
そもそも起きてたくせに私がノックした時はシカトしたくせに…!!
「何もないならコッチ見ろよ!」
「痛ってぇ!」
あまりのムカつきに、テーブルに置いてあったジッポをタクの背中目掛けて投げつけた。
見事にヒットしたジッポは、カラカラと回転しながら床を滑っていき、カツーンと音を立てて壁に当たる。
それをタクが拾い上げた。
「…お前凶暴なのも大概にしろよ?」
頭を掻きながら呆れた表情のタクは、なんで私から顔を逸らしていたのかもわからないくらい、特に変わった様子はなくて。
一気に距離を詰めて私のおでこを叩いた。
「…タクがシカトするからでしょ。私は悪くないし」