乱華Ⅱ
だってそうじゃん。
私悪くないもん。
なんでいきなり顔背けるんだよ。
そんな事されたら私だって悲しいんだよ。
辛くなるんだよ。
…傷つくんだよ。
目の前のタクを睨みつけて、心の中で自分の気持ちを吐き出す。
言葉にしなかったのは、そんな弱い自分をこれ以上見せたくなかったから。
至近距離からギロっとタクを睨む事しかできない私の唇に、そっと触れたタクの指先。
「…待て、悪かった。俺が悪かったから…噛むな!」
「…あ、ごめ、ん」
どうやら唇を噛んでいたらしい私は、その言葉ですぐに噛むのをやめてタクに謝った。
確か以前颯人にも指摘された気がする…