乱華Ⅱ
「心」
「うー?」
私の顰めっ面に気付いた颯人が私の横に腰を落とした。
「タク、静かにしとけ」
うるさいタクは我が総長様が嗜めるが
それに気のない返事をし正宗と司がいた方へと行き、ひそひそと話出した。
何あの態度。
私の鼓膜破れたら責任とれよ!!
「もう少ししたら行くから。…大丈夫か?」
「え、うん大丈夫。私お酒飲んでないし。すぐ近くなんだよね?」
「あぁ」
私たちはこの後繁華街近くにある神社に初詣に行くことになっている。
実は両親が亡くなってから初詣って初めてなんだけど、それを言ったらみんな吃驚してたな。
繁華街の近くって事もあって、陽炎の事はそんなに心配ないみたい。
だって繁華街近く=乱華の息の掛かる場所だしね。
「俺たちから離れるなよ」
「え、うん。わかってる」
私の髪の毛を一束掬って私の目を射抜く颯人。あの漆黒の瞳を見たのは久しぶりで、本当の意味も知らないでそれに安直に答えたバカな私。