乱華Ⅱ
「…じゃぁ逆に聞くけど、あんたら寒くないわけ?」
右から順に正宗、タク、修と三人の格好を見比べる。
正宗は濃い目のジーパンにストライプのシャツを首元まできっかり閉めて、ザックリとしたライトグレーのカーディガンを羽織っているだけ。
タクは迷彩のカーゴパンツに黒のVネックそれに焦げ茶のダウン(前は全開)
修は細身の黒いパンツに目の粗い白ニットにライダースのジャケットだ。
私からしたらかなりの薄着。
凍死するんじゃないの?ってくらいの薄着。
今の時刻午後11時30分ですけど?そこんとこわかってる?
「別に寒くねーよ」
「お酒も飲んでるしね」
「心チャン寒いなら俺が暖めてあげようか〜?」
…最後の修の言葉は無視しよう。うん。
「あ、あのさ正宗」
「…ん?」
「おいおいお前から質問しといてシカトか〜?」
「心のくせにふざけんなよ」
なんかうるさいのが約2名いるけど無視。
てか心のくせにってなんだよ。くせにって。
「私年明けたら家帰る」
「…え?」
「は?」
「…何だって〜?」
正宗は眼鏡をくいっと持ち上げて、なんだってっていう顔。
他2名も同じような顔だけど。
何?聞こえてなかったの?
「年明けたら家帰る」
同じ言葉を2度繰り返した。