乱華Ⅱ



「それはなんでかな?」


穏やかな口調でニコリ笑う正宗だけど、まさかの年の瀬にブラックスマイルを見る羽目になるとは…



え、ダメなの?
私が家に帰ることってダメなことだったの!?

私はマフラーから口元を出してはぁーと息を吐きだした。
見事に真っ白だ。




「だって服、取りに行きたい」



「服?」



正宗のその声にコクリと小さく頷いた。


だって冬休み入ってからずっとタクのマンションか溜まり場にいるんだよ?


少し服置いてたとはいえ、流石に2週間分もないし。
てゆーかいっつもおんなじ服で飽きたってのが本音。

本当はずっと思ってたけど、ここまで家に帰れず終いとは思わなかったから。



チラッと正宗を盗み見れば

「あぁそっか」

と呟く。



それってつまり…!!



「心ちゃん今度買い物行こうか?」


「…は?」


「買い物なら俺も行く!!」



「はっ!?」


いつの間にか会話に入って来た司は目をらんらんと輝かせていた。
…司ショッピング好きなの?



「おーいーねぇ初売りとか行ったらいーんじゃねぇの〜?」


「あー俺も欲しいモンあったんだわ」


つーか外野がうるさい。
まだ行くとか言ってねぇだろ。







< 160 / 200 >

この作品をシェア

pagetop