乱華Ⅱ
むすっとしてると少し前にいた颯人と目が合った。
特に何かを口にするわけではないけど、話の流れを見守っている様子。
…止めてくれてもいーのになぁなんて思ってみたけど無駄だろうと諦める。
いつの間にかどこの店がいいかと、ギャーギャー言い合うタクと修と司。
本当3人揃えばうるさいな。
「って事で買い物でいいよね?お金なら出すし」
「え!?いや、お金はいいよ!!」
まだ言い合う3人を無視して正宗がサラリと言うけど、お金はダメでしょ。
私の欲しいもの買うんだから。
それはいくらなんでも自分で出すよ!!
ブンブン首を左右に振っていると、正宗はクスリと笑みを落とした。
「そう。なら買い物決定ね。だからマンションにはまだ帰らないでくれるかな?」
「ゔっ…」
「ごめんね。陽炎が心配だし、ね?」
それ言われたらもう何も言えないよ。
まぁ別にいいんだけどさ。帰らなくても。
…てゆーか買い物も承諾したことになってるし…
ほんと丸め込むのがうまいよね正宗は。
年越しの前に正宗の恐ろしさを再確認した。