乱華Ⅱ
私の隣にタクも座り無言でスマホをいじり出した。
ここは参道ほど人もいないし、少し落ち着くかもと小さく伸びをしていれば…
「ねぇ、あの人すごくない?」
「わっ…本当っ何あの格好…」
「だっさいよね〜」
キャハハハ〜と甲高い笑が癇に障る。
明らかに私に向かっての言葉だとわかるし。
私に聞こえていようがどうでもいいのか、声のボリュームを下げてはくれない。
3人連れの彼女達は少し遠い所にいる私から見ても薄着。
そしてケバい。…私以上にケバい。
そして寒そう。
あーもー
うるせーなぁ。
私がどんな格好してようとお前らに関係ねぇだろ。
いちいち口出ししてくんなよ。
ギロリとそちらを見ればバチっと合う視線。
睨まれたよーこわーいなんて言っているけど、彼女達の会話はまだ続く。
「てゆーかさぁ、隣の人も恥ずかしくないの?」
「私が男だったら絶対に嫌かも〜」
「てか男もダサいんじゃない?」
「……あ?」