乱華Ⅱ
「…なぁ」
「「「はいっ」」」
“あの”乱華の副総長拓人に声をかけられた。
その喜びを全身で現す彼女達。
バッカじゃねぇの??
冷めた目つきで目の前の彼女達を見てしまった。
「おい。シカトすんなよ」
思いっきり私の方へと視線を向けて、ジッと見てくるタク。
キャーキャー言っていた彼女達の声が一瞬にして消えたのがわかった。
どうやら話しかけたのは彼女達にではなく私にだったらしい。
少し息苦しくなってきた私はマフラーを緩めて口元に空気を送る。
「…何?」
「この女達何だよ?ウゼェ」
「私が知るか」
「ハッ…だよなぁ?俺もこんな奴らは知らねぇよ」
掴まれていた腕をもの凄い勢いで振り払うタク。
その反動で腕を掴んでいた彼女は、小さな悲鳴をあげて地面へと崩れ落ちた。
面倒になったのか再びスマホへと視線を落とすタク。
てゆーかこの子達の顔真っ赤なんですけど?
とくに地面へと崩れ落ちた彼女。怒りで震えてるんですけど?
ここで放置するのはやめてくれるかなぁ、拓人くん。