乱華Ⅱ
それから私もゆっくりと準備に取り掛かり、梶さんから連絡が来た時には準備は完璧。
運転手の梶さんを合わせて7人で行くわけだから、もちろんいつもの黒塗りの車じゃ定員オーバー
みんなでマンションを後にして、エントランス前に停まっていたのは、いつもとは違う8人乗りの黒のファミリーカーだった。
「梶さんおはよう。今日よろしくね」
「お、今日はいつもより狭いかもだが、少し我慢してくれよ」
「うん。大丈夫」
いつもよりかは幾分カジュアル目な格好の梶さんだけど、スキンヘッドと金のネックレス。
それと当たり前だけど龍の刺青はご健在。
そのせいでそのカジュアルな格好台無しだよ。
「心、何か言いたそうな顔してんな?」
先に乗り込んでいた颯人から指摘され、運転席にいた梶さんも私を見てくる。
梶さんとバッチリと合った視線を車のステップへと移して小さく息を吐き出した。
「梶さん」
「ん?何?」
「…今日の梶さん、柄の悪いチンピラみたいだよ」
「心ちゃん……」