乱華Ⅱ
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「そちらもお似合いですよお客様〜彼氏さんもこれで更にメロメロですよ〜」
やたらとキャピキャピとした店員が試着室から出て来た私に、にこにこと笑顔を振りまきチラリと颯人の方へと視線を向ける。
それにつられて視線を向ければ、店の入り口の通路に背を預けてこちらを見ていた颯人とバッチリと目が合った。
…なんでお前佇んでるだけなのに、カッコイイんだよ。
颯人はあの3人みたいに特別気合いを入れた格好でもないのに、オーラがあるっていうの?人目を凄い引いていて
歩いてる人が振り返って颯人を見ていた。
「お客様、彼氏さんの事見つめすぎですよぉ」
何を勘違いしてるのか知らないけど颯人は彼氏じゃねぇよ。
目を爛々と輝かして私を見んな。
「…これとこれとこれ買います」
そんな店員を無視して気に入った服を手渡した。