乱華Ⅱ



その後も適当に雑貨を見て回って欲しいものをカゴの中へと入れて行った。



カゴをレジへと置いて財布を取り出そうとしたら



「いい。俺が出す」


颯人に制されたけどちょっと待って。



「ダメ。これは私が払う。だって私がみんなにプレゼントしたいから勝手に買ったんだし」



プレゼントなのに買ってもらってたら意味ないじゃん!
颯人の財布を無理矢理閉じて本人に突き返す。



すると何を思ったのかカゴの中から一つのマグカップだけ取った颯人。




「じゃぁこれは俺からお前にな」



見れば私のイニシャルが入ったマグカップを手に持ったいる。


「…ありがと」


わざわざいいのにとか思ったけど、颯人の好意を無碍にするハズもなく、そこはありがたくお願いする事にした。





「素敵な彼氏さんですね」



マグカップをラッピングしてもらっている間、レジ前の商品を見ていたらラッピングしながら女性店員が言った。



「…は?」


「あ、いえ彼女さんの分は彼氏さんが買っていたし優しいんですね。それにイケメンですし」



…出たよ。また勘違い。



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