乱華Ⅱ
マグカップのラッピングはまだまだ終わりそうにないし、颯人は聞こえてないのか、聞こえているけど我関せずなのかわからないけど、何の反応もしない。
ラッピングが終わるまでこの会話されたらこっちが溜まったもんじゃない。
「…付き合ってないですから」
「えっ!?」
レジ前の商品を手に取りながら呟けば、女性店員はやけに吃驚した声をあげた。
え、何?
何かそんなに驚く事言った?
いや、言ってないよね?
思っていた事が顔に出ていたのか、店員が颯人の方をチラリと見た後に言った。
「でもそれ…ペアルックですよ、ね?」
それと言って私と颯人の首から下がるネックレスを指差していた。
…あぁ。これでか
最近は寒いから厚着していたためほぼ見えなくなっていたけど、今日は屋内だしいつもみたきな厚着じゃないから…このネックレスが見えたってわけか。
このネックレスは颯人達がくれたもので、確かに颯人もつけているけど他の幹部メンバーも身につけている。
まぁ今私と颯人の2人でしかいないんだから、そう見てても仕方ないのかもね。