乱華Ⅱ
座席に座り直しても顔の熱が引く事はなくて。
…てか私の心臓ちょっと鎮まれ。
マジうるさい。
バクバクドキドキと煩い心臓に文句言った所で収まるわけもなく。
こんな怒ってるとは到底思えない状態だけど、ちゃんとしっかりと目だけは鋭く颯人を見据えていた。
それはもう不満気な瞳で颯人を見ていたはず。
…それなのに
「…あ?」
怒っているのは私のはずなのに、何故か不機嫌そうな声を出した颯人。
いや意味わからん。
てか人がご立腹な訳よ。わかる?
おわかり颯人さん。あんたは私を怒らせた訳よ。
タバコ咥えたままよそ見してんじゃねぇよ。
少しはコッチ向け。
…って本当にコッチ向いたら向いたで、また心臓が煩いんだろうけどさ。
1人勝手に突っ込んじゃう私。
ってゆーか
さっきから窓の方ジっと見ていて何?なんかあるわけ?
「ーっねぇ」
「行くぞ」
なぜか窓の方を向いたままの颯人に、どうかしたのか視線を辿りながら聞こうとした瞬間
唐突に席を立った颯人に思いっきり手首を鷲掴みにされ、席から無理やり引きずり降ろされた。
この時既に颯人からはさっきまでの柔らかい雰囲気はなくなっていて、いつもの鋭い総長の雰囲気になっていたんだと
後になってから気がついた。