乱華Ⅱ



***


ショッピングモールから少し離れた入り組んだ路地裏。




そこの一角の壁に凭れて


「っ…はぁっ…」


途切れ途切れになる呼吸を必死で整える私の息苦しそうな声だけが僅かに漏れていた。






今いる場所がどこかなんて私には詳しくはわかんないけど、昼間とは思えないくらい人通りの少なさ。薄暗さ…シーンとした場所。



私達のいる街で言う所の怪しい雰囲気のある廃れた商店街ってとこかな…




てゆーか、さっきの奴らがなんなのかなんてわかんないけど(とっさに思い浮かんだのは陽炎だけど)今いる場所に奴らの気配はとりあえずはない。




「…あぁ。そこにいる。5分で来いよ」



電話の相手にまるで王様の様な発言をした颯人は、携帯をポケットに終い息も絶え絶えな私に視線を落とした。





「すぐに梶が来る。心1人で待てるか?」


いやいやいや。無理ですから。
こんな所に1人とか無理ですから!!

とりあえず首を左右にブンブン揺さぶる私。

まず1人で待つって何?
一緒にいるんじゃないの?
颯人どこ行くつもり?


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