乱華Ⅱ




今もまだわざとらしく泣き真似をしていた蓮は慌てて正宗に近寄って行っていたけど、それを冷ややかに見つめソファーに深く腰掛ければ向かいにいた司と目があった。



「つーか今はそんな事やってる場合じゃないだろ!この前の事話し合うんだろっ!?」



司は珍しく髪の毛を下ろしていて、煙草を吸うわけでもないのにジッポを握りしめていた。

私と視線がかち合った瞬間凄まじくガンを飛ばして来た。まるで私のせいみたいな顔で。
いやいや、私のせいじゃねーよ?
負けじと睨み返そうとしたけど、司はすぐに蓮の方へと呆れた視線を向けていた。




「そうよ〜蓮クン?オメーの悪ふざけは今はいらねぇよ〜?」



颯人のデスクに寄りかかりながら煙草をを吸う修は珍しくシニカルに笑う。



「そうだよ。悪ふざけした所でお前の凶悪な外見はどうにもならねーよ」



タクは蓮の肩に片手を乗せながらやれやれと言うけど、凶悪な外見云々はタクには言われたくないと思うよ。

銀髪の蓮とオレンジ頭のタクなんて似たり寄ったりだし。ガラの悪さはピカイチっすよ。
心の中で毒を吐く私はやっぱり穏やかではない。



「とにかくだ、この前の奴らの分かる情報を伝えておく」


颯人がデスクに座ったまま鋭い視線を部屋全体へと向ける。
それだけでふざけていた雰囲気から一気に張り詰めた空気へと変わった。



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