乱華Ⅱ







「追ってきた連中は全部で8人。ここから車で1時間くらいかかる県境にあるショッピングモールだ。時間は午後2時頃」


颯人は私たちというか、その場にいなかった傘下の総長達に視線を向けて、この前の説明を始めた。



「陽炎が県境の方に出没するなんて極めて希だ。もしかしたらつけられていた可能性もあるが…恐らくは偶然」



颯人の続きを説明しだした正宗はパソコンを操作して私たちの方へとパソコン画面を見せてきた。



そこに映し出されたのはゲームセンターっぽい所にいる8人の男達。
この8人はあの日私達を追いかけて来た奴らって事だろうか。画像がそこまで鮮明でないため顔までは確認できないが。



「あの日俺たちがショッピングモールについたのは午前11時ごろ。ところがこいつらは朝の9時にはここのゲームセンターにいた。俺たちをつけてたならありえない時間になるってわけ」


「ショッピングモールの監視カメラか?」


「正宗お得意のハッキングですか」


画面を食い入るように見ながら神風の総長碧と乱鬼の総長奏多さんが言う。


サラリと発せられた奏多さんの言葉だか、正宗が犯罪まがいな事をしてる事に対して誰も何も突っ込まないあたり、これは日常茶飯事なのだと知る。




「こんなゆるいセキュリティ破るなんて俺にとっては朝飯前だよ」



眼鏡を手で持ち上げてクスリ笑う正宗はやっぱり一番敵に回したくない。

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