乱華Ⅱ



一旦パソコンの画面を自分の方へと向けた正宗はパソコンのキーボードを打つ。



「それで、これが今回の奴らの顔なわけだけど、お前ら見覚えは?」



再び私たちの方へと向けられたパソコン画面にはさっきの画像と違い、8人の男が一人一人拡大された画像が映し出されていた。



「俺は見覚えねーけど」


「俺も知りませんね」


「まぁ陽炎が表立って行動する事なんて滅多にないし、下の奴らなら顔まではわかんねーよな」



画面を見ながら碧、奏多さん、蓮が言葉を発していたが、私の耳にはほぼ届いていなかった。



画面に映し出された画像の中の1つ。
そこに映る人物に私は見覚えがあった。

その男を食い入るように見る。


正月に聞いたあの聞き覚えのある声はこの画面に映し出された男のもの。




『ーーが呼んでいます』


過去に幾度となく聞いた言葉。


それはすなわち彼らが陽炎ではないという結論に至るわけで…




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