乱華Ⅱ
お風呂から上がれば颯人はソファーに座ってビールを飲んでいた。
たったそれだけなのに、なんか絵になるこの男になんだかムカついた。
私もその隣にスッと腰を落とす。
リビング広いなーなんて、自分のマンションと広さはさほど変わらないんだけど、このリビングの方があたたかい。
温度の事じゃなくて…温度もだけど。
なんてゆーか居心地がいい。
温もりがあるって感じ。
「…少しは暖まったか?」
私を横目でチラリ見た颯人は飲んでいた缶から口を離し、尋ねた。
「お陰様で」
「なら、よかったな」
さっきの私を思い出したのかフッと笑みを溢し、再びビールの缶に口をつける。
「…あのさ、ちょっと聞きたいんだけど」
「なんだ?」
「…修の事なんだけどさ」
気付けば私はさっきの修の事を口に出していた。
だってやっぱり気になる…